「明日の風」制作の8ミリ映画作品

第二回本作品「光彩」 昭和57年度作品

光彩
スタッフ 名前
監督 菅原 敏雄
脚本・助監督 小宮 道信
助監督 近藤 由美子
撮影 尾崎 誠司
撮影 国川 隆
編集 田淵 浩幸
記録・衣装 栗原 英子
美術・メイク 井上 晋彦
字幕 進藤 亜佐美
小道具 栗原 英子・松村 圭子・滝川 直美
音響・録音 鷲尾 忠彦
選曲 室井 淳
効果 鶴岡 邦昭
主な出演者 名前
野中 鶴岡 邦昭
橋本 滝川 直美
総製作費:174,555円
観客動員数:124人
映写時間:73分05秒
総延長:1,096ft

【ストーリー】
この物語は、主人公の橋本京子が勤める東京のTV局に、放送作家志望の一人の青年が売り込みにやってくることから始まる。その青年の名は野中健二、偶然にも京子の大学時代の知人であり、二人にとって、それは五年ぶりの予期せぬ再会であった。
京子は、大学時代と変わらぬ夢を持つ野中に好意を抱き、彼の成功を願って一緒に暮らし始める。しかし、社会派ライターを自認する野中の脚本は一向に目がでない。やがて、野中の心中にも焦りが芽生え始め、考えあぐねた末、彼はそれまで拒否していた「俗悪番組」の脚本に手を染めていく。どうしてあんな仕事なんかしてんのよ…京子はそんな野中を非難するが、野中はそれに耳を傾けようとはしない。
月日は流れ、野中は放送作家として脚光を浴びていく。しかし、志を忘れて一層変わっていく彼の姿に、京子は反発を感じ続ける。志を曲げないで欲しいという京子の願いと、売れなければ駄目だという野中の気持ちが空回りしていく。やがて、野中が一流作家の仲間入りを果たしたその日、京子は遂に彼との別れを決意する。 二人で暮らしてきたアパートを1人立ち去る野中、その時彼は、京子が自分の最も良き理解者であったことに初めて気づくのだった。

作品の評価

この作品においてまず特筆すべきことは、前作「とんでもWEEK」に比較して、技術的に格段の進歩を遂げたことも然ることながら、作品の規模が飛躍的に拡大したということである。
企画段階では、この作品を我々の手で映画化することは不可能ではないかという意見もあった。 特に、放送作家の主人公(野中健二)が出世していく過程をどのように映像で表現するかが、大きな現実的課題となった。
この作品を評価するにあたっては、こうした課題を解決し映画化を可能にしてくれた美術スタッフや渉外担当者など「裏方スタッフ」の多大な努力と功績を抜きにしては語れない。 この点をまず明記した上で、以下、企画・技術の両面からこの作品の評価を行いたい。
まず企画面であるが、この作品は「男の性(さが)と女の性」あるいは「人生における出会いと別れ」といった抽象的主題に取り組んだ訳であるが、その割には主題を十分にアピールすることが出来たと思われる。 しかし、こうした題材に対して、それを一時間程度のドラマに収めねばならなかったことから、ストーリー上の展開に少々無理があったようにも思われる。
次に技術面であるが、これは前作での経験・反省を踏まえて、格段の進歩を遂げた。 映像面では初歩的ミスが大幅に改善され、コンテの導入により一貫した映像演出が強く意識された。 美術面では特殊メイクの研究が結実し、音響面では効果音の充実が図られた。 また演技面もシリアスなドラマであっただけに力量不足が目についたが、前作と比較すれば相対的に進歩したと言える。
しかし、このような技術的進歩を遂げたとはいえ、それは前作との比較の上に立ってのことであり、それで満足出来るものでは無論なかった。 映像演出が行われたとは言うもののその水準は初歩的段階であり、また演技力の向上も決して充分なものではなかった。
更に前作で課題となっていた録音状態の改善は、この作品でも解決には至らず、次の第三回本作品への課題として残された。

ページの先頭へ